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ノエル曹長のお勧めこの一冊☆ベストセラーから掘り出し物まで☆ TOP  >  小説

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SF 武器製造業者

武器製造業者

こんばんは、ノエル・ギャラードです。

今夜紹介するのはA.E.ヴァン・ヴォークト武器製造業者 (創元SF文庫)です。

本作は1967年に東京創元社より発行された「イシャー」シリーズの第二巻となる作品です、が・・・第一作である「イシャーの武器店」よりも、こちらの「武器製造業者」の方が先に書かれた作品である。とちょっとややこしいことになっていますが、これは作中の時間軸をもとに、歴史の古い順に東京創元社が発行したことによるもので、私としてはどっちから読んでいったらよいのかを悩ませることになりました。

また、本の内容についての感想ではなく、本の裏表紙の紹介文のいい加減さにはちょっと疑問符がついてしまいますが、内容は文句無しの面白さです。

あまり書くとネタバレになってしまいそうですが、主人公のヘドロックは「不死人」いわゆる不老不死の能力を獲得した人物として、地球上の様々な時代に現れて、いくつもの肩書きを通じてその歴史に痕跡を残しているのですが、こうした設定はどうしても自分がその「不死人」だったら、と想像してしまいますね。

ヘドロックは、気の遠くなるような年月を生きた経験、知識によって、既に私利、私欲といった物を捨てて、人類全体の未来についてを考える存在となっているようですが、もし私が何千年も生きるようになってしまったら。まず、自分は誰から生れたのか、自分の兄弟は?どんな風に生きてきたのか?といったことを覚えておくのが大変だろうなぁというのをまず最初に思い浮かべてしまいます。

たかだか30年ほどを生きてきて、これまでの人生の様々な瞬間をどうやって過ごしたか?という記憶も、鮮明なものもあれば、薄れてしまっているものも有る中で、1000年単位の時の流れと言うものは、想像することもできません。
実際に今から1000年前となると、1192(いい国)作ろう鎌倉幕府、の時代よりも前になってしまいますが、そんな頃と、この2011年の現代の共通点なんてほとんど無いわけで、1000年あれば人間も30世代は経ってしまってますから、当然知っている人達は総入れ替えとなっている・・・

そんなことを考えているとなんだか楽しくなっていしまいますが、実際には経験できない体験を想像する助けになるのがSF小説の面白さですね。


武器製造業者 (創元SF文庫)武器製造業者 (創元SF文庫)
(1995/01)
A.E.ヴァン・ヴォークト、沼沢 洽治 他

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[ 2011/03/05 23:35 ] 小説 SF小説 | TB(1) | CM(0)

SF 惑星カレスの魔女

惑星カレスの魔女

こんばんは、ノエル・ギャラードです。

今夜紹介するのはジェイムズ・H. シュミッツ惑星カレスの魔女 (創元SF文庫)です。

この作品は1966年にジェイムズ・H. シュミッツの手によって書かれ、ヒューゴー賞候補になったものを1996年に創元社が発行した物ですが、創元社による発行以前にも新潮社から発行されていた、非常に息の長い作品といえます。
本書は、表紙を宮崎駿が描いていることから、宮崎駿ファンの方の中にもこの作品を手にとったことのある方も多いのではないかと思います。私も、この作品を手に取ったのは表紙の影響によるものでしたので、この表紙で作品を発行したことは戦略的には成功しているのではないでしょうか?

しかし、表紙が魅力的でも内容がつまらなかったら・・・と言う心配は本書においては全く必要ありません、宮崎駿が表紙を提供する時点でも面白さが保障されたようなものですが、非常に面白いSF冒険活劇となっています。まず、本書に登場する、「魔女」という存在は、色っぽいけど危険な女性を比喩するものではなく、ミリタリーSF小説などではなかなかお目にかかることのできない、いわゆる「魔女っ子」である点が私にとっては非常に新鮮で(1966年の作品に新鮮味を感じられるのがSFの面白いところですね)彼女達の生き生きした描写を追っているうちにあっという間にラストへたどり着いてしまう、非常にテンポの速い作品です。

また、登場人物というか、登場思念体とでも呼ぶのか、ヴァッチという存在が物語の進行にも非常に強く関わってきますが、その印象はまるで、スタートレックの「Q」そのものとも思えるようなもので、案外、この作品がスタートレックに与えた影響も大きいのでは?などといってしまうと、全国のトレッキーの皆さんに怒られてしまいそうですが、非常にいいキャラクターですね。

硬派なSFの合間にちょっと息抜きできる非常にお勧めの一冊です。


惑星カレスの魔女 (創元SF文庫)惑星カレスの魔女 (創元SF文庫)
(1996/11)
ジェイムズ・H. シュミッツ

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[ 2011/02/27 22:54 ] 小説 SF小説 | TB(1) | CM(0)

銀河不動産の超越

銀河不動産の超越

こんばんは、ノエル・ギャラードです。

今夜紹介するのは森博嗣、銀河不動産の超越です。

本作は2008年に文芸春秋より発行された森博嗣の作品ですが、ミステリィ作家としての味、そしてスカイ・クロラシリーズで見せたSF作家としての味とはまた違った森博嗣を味わうことのできる非常に好きな作品です。

まあ、話の内容そのものはご都合主義とでも言うか、主人公、高橋が自身の勤める銀河不動産での仕事を通して出会う人間関係と、それに伴う自身の生活環境の変化を高橋の視点で描いたものとなるのですが、特技や才能のない高橋が、あるきっかけを経て、どんどん回りに流されていくわけですが、流され方が非常に羨ましいんですね。

詳しくは本作を読んでもらうとして、まず、不動産屋の従業員として、お客に勧めた非常に大きな家を、お客が買い取るために出した条件が「あなたがこの部屋に住むこと、私は大家」ということで、それまで住んでいた家賃5万円の安アパートと同じ家賃で20倍の大きさの家に住むことになるところから、どんどんと回りに流されていくことになるのですが・・・彼の周りに現れる人物と言うのが皆、個性的で良いキャラクターの持ち主ばかりなので、流されていっても悪い方向へと行くことが無いので、一冊丸ごと羨ましい話になってしまうのです。

しかし、高橋は孤独を苦に思わない、むしろ一人が好きといった人物なのですが、転居を機に彼の周りに人が集まってくる、ついには皆が自分の部屋に居ついてしまうという点は、高橋と同じく一人が好きな私には我慢ができないだろうな、と思う反面、1LDKの小さな賃貸マンションに住んで、物に押しつぶされるように暮らす私からすると、彼のように大きな部屋に住んでみたいなぁと憧れてしまいます。

著者の森博嗣自身が大学で建築を教える立場であることから、建築に関しての描写は非常にイメージしやすく描いてあることも、高橋の住む部屋の魅力を増しているのだと思いますが、やはり、一度はそんな大きな空間をもてあますような生活をして見たいものです。

ちなみに、羨ましい環境ですが厭味な感じが一切しないあたり、やはり森博嗣の文体の持つ力が超越しているということでしょうね。

銀河不動産の超越銀河不動産の超越
(2008/05)
森 博嗣

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[ 2011/02/22 22:31 ] 小説 | TB(1) | CM(0)

SF 共和国の戦士2 星間大戦勃発

共和国の戦士2

こんばんは、ノエル・ギャラードです。

今夜紹介するのはスティーヴン・L・ケント共和国の戦士〈2〉星間大戦勃発 (ハヤカワ文庫SF)です。

本作はスティーヴン・L・ケントの「共和国の戦士」シリーズの第二巻として2011年2月に早川書房から発行された作品なのですが、この第二巻を読んだ感想としては、「やられた」というところでしょうか。
実は、が昨年の5月に第一巻共和国の戦士 (ハヤカワ文庫SF)が発売されたときにも一巻読みきりのSF小説だと思い「気軽に読めそうなボリュームだな」と何の予備知識も無く手にとって、最後まで読んでシリーズ物である事を知ったときにも同じように、「やられた」という感想を持ったのです。

ここでいう「やられた」というのは決して、面白くなかった、というのではなく、むしろ、面白い作品だけに続編が待ち遠しくなってしまう。といった意味の「やられた」なのですが。この第二巻ではラストシーンが、主人公のハリスとレイ・フリーマンが、惑星デルファイを出て再び宇宙に戻ろうと決意するシーンとなるのですが、そこでこの「共和国の戦士」シリーズは完結したのだと思い込んだのですが・・・

今回は訳者あとがきでのこの続きは次巻で!の一文に「やられた」と言わされましたね、まあ、確かにラストシーンで二人は再び宇宙へ出る、と言っている訳ですから続きがあっても全然おかしくないのですが、本作のサブタイトルである「星間大戦勃発」のとおり、この「共和国の戦士」シリーズ第二巻では共和国と反目する国家連合、また、反共和国主義者アトキンズ派の三つ巴の戦争が勃発しているのですが、あまりにスケールの大きな戦争になっていますので、この二巻の終わり方を見たときに「この二人がどうなったかはあなたのご想像にお任せします」的な感じかな?と勝手に思い込んでいましたので、あとがきでのこの続きは次巻で!の一文にはたしかにやられましたが、まだこのシリーズを読めるんだという楽しみが生れたのも事実ですね。

果たしてこの「共和国の戦士」シリーズの終着駅がどこになるのかは分かりませんが、星間大戦の終結までを描くことになるのであればもうしばらくは続編を楽しみにすることが出来そうです。

しかし・・・次巻はいつ出るのでしょうか、待ち遠しいですね。


共和国の戦士〈2〉星間大戦勃発 (ハヤカワ文庫SF)共和国の戦士〈2〉星間大戦勃発 (ハヤカワ文庫SF)
(2011/02/05)
スティーヴン・L. ケント

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[ 2011/02/20 23:57 ] 小説 SF小説 | TB(0) | CM(0)

冲方 丁 天地明察

天地明察

こんばんは、ノエル・ギャラードです。

今夜紹介するのは冲方 天地明察です。

本書は角川書店から2009年11月30日に発行され、第31回吉川英治文学新人賞、第7回本屋大賞を受賞し,第143回直木賞の候補となったうえに、第7回北東文芸賞や第4回舟橋聖一文学賞といった様々な賞を受賞した作品ですので、書店に平積みになって大々的に売られているのを目にされた方も多いのではないでしょうか?

ちなみに著者の冲方 は「マルドゥック・スクランブル」などの作品で知られてはいましたが、この天地明察が著者にとっての初めての時代小説だったことから、時代小説しか読まないような方の中には
「新人なのにいきなりすごい作家が出てきたものだ」
と驚かれた方も多かったと聞きます。

私はもともと、「マルドゥック・スクランブル」等、冲方 の作品をいくつか読んでいましたので、この天地明察についても
「変わった題名のSF小説だな」
と時代小説だと意識せずに購入したものですから、中身を読んで驚いたことはいうまでもありません。

本作の主人公である、渋川春海は代々の囲碁の家である安井家に当主、算哲の長子として生れ、自身も囲碁の才能に恵まれながらも、囲碁よりも算術や天文暦にのめり込み、ついにはそれまでの日本の政や農作物の植え付けなど、様々な場面で用いられていた宣明暦を、授時暦をベースに日本向けに改良を加えて自らが考案した、大和暦への転換を果たすなど、囲碁棋士としてよりは、天文暦学者としての渋川春海の生涯を描いた、切り合いの無い時代小説となっています。

特に私が好きなのは、第二章での、これも渋川春海と同じく実在する数学者、関 孝和との算法勝負の場面名のですが、剣術ではなく算術による真剣勝負、というのが新鮮で、あっという間に読んでしまいました。

囲碁棋士や将棋棋士という人たちは基本的に理詰めでありながらどこか天才的な閃きによって局面を変えていくようなところがあり、現代の囲碁界では、七大タイトルグランドスラムを果たした趙治勲二十五世本因坊や、山下敬吾本因坊、また将棋会においては将棋界で初の7タイトル独占を達成した羽生善治名人などは、やはり常人には思いもつかないような思考回路を持った天才であり、渋川春海もそういった人種だったからこそ、新たな暦の作成という大事業を完遂できたのではないかと思います。

私は将棋が好きなので囲碁や将棋の話題が出てくるとうれしくなってしまうのですが、そうでない方にとっても、どこかSF的な要素を持った新しい時代小説として楽しんでもらうことが出来るお勧めの一冊です。


天地明察天地明察
(2009/12/01)
冲方

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[ 2011/02/06 19:32 ] 小説 時代・歴史小説 | TB(0) | CM(0)

小太郎の左腕

小太郎の左腕

こんばんは、ノエル・ギャラードです。

今夜紹介するのは和田竜小太郎の左腕です。

本作は2009年11月に小学館から刊行された和田竜の三作目となる長編小説です。戦国期における西国の国人領主達の領土争いを国人領主、戸沢利高の家臣、林半右衛門の視点から描いており、序盤は林半右衛門と児玉家の武将、花房喜兵衛の力比べ、といった内容でエンターテイメント性の高い時代小説といった感じの作品なのですが、そこは「のぼうの城」で鮮烈なデビューをした和田竜のことですから、ただの時代小説で終わるわけがありません。

中盤からは、国人領主達の領土争いが、特異な火縄銃の才能を持つ十一歳の少年、小太郎の出現によってそれまで児玉家優勢であった戦が一転して戸沢家の優勢に変わるというめまぐるしい展開となっていくのですが、この小太郎がまさに戦国時代の狙撃手、それも「最強の狙撃手」と言っても良いくらいの凄まじい腕を見せてくれます。

しかし、この小太郎の腕前を語る前に、戦国時代に狙撃手が存在しえたのか?という疑問もあるのですが、戦国時代の狙撃といえば、杉谷善住坊による織田信長狙撃が有名です(結果は失敗)しかし当時の火縄銃には旋条(ライフリング)は施されておらず、鋳物で出来た銃弾を火薬を詰めた銃身に押し込み、火縄で着火すること火薬の爆発によるガス圧によって弾丸を押し出す、という単純な仕組みであって、その命中率は現代の狙撃銃と比べると全くお粗末なものだったはずです。

まあ小説だから、と言ってしまうと実も蓋も無いのですが時代小説に少年狙撃手というギミックを持ち込み、しかも林半右衛門、花房喜兵衛といった骨太の武士を配置することでギミックに頼らずとも、正統派な時代小説としても楽しめてしまうあたりはやはり和田竜作品らしさが存分に発揮されていると言えます。

この小太郎は戦国時代における鉄砲界のエリート集団「雑賀」の一族であることが作中で語られるのですが、ゲーム、「信長の野望」や宮下 英樹の「センゴク」等での活躍を見るにつけ、「雑賀」の名前は当時も相当だったことが伺えますね。

この小太郎をめぐる悲しい争いは実際に読んでいただくとして、時代小説も、スナイパー物もどちらも好きだと言う方にはピンポイントにお勧めできる一冊ですよ。


小太郎の左腕小太郎の左腕
(2009/10/28)
和田 竜

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[ 2011/02/04 22:24 ] 小説 時代・歴史小説 | TB(2) | CM(0)

SF 地球戦線(4) ポリスーン・ウォー

地球戦線4

こんばんは、ノエル・ギャラードです。

今夜紹介するのは地球戦線〈4〉―ポスリーン・ウォー〈2〉 (ハヤカワ文庫SF)です。

本作はジョン・リンゴーのミリタリーSF小説、「ポスリーン・ウォーシリーズ」の第二部、第四作目として早川書房より発行されたものです、この四巻をもって、「ポスリーン・ウォーシリーズ」の第二部が完結します。

正直、このシリーズが2010年10月以降、毎月刊行とのことでしたので、発売を毎月楽しみにしていたのですが、四巻の発売日が決まったときに表紙の画像をみて
「なんじゃこりゃ~」と思ったのは私だけではないでしょう。
キングギドラが表紙のミリタリーSFって・・・

まあ、シリーズの第一部、「大戦前夜」にもこのキングギドラ、もといドラゴンは登場していますので、今まで読み進めた方でしたら、
「ああ、これがあれか」
くらいに思うくらいかもしれませんが、私としてはこの四巻の主役は、ようやく戦場であるワシントンに到着した主人公、マイケル・オニールの率いるコンバット・スーツ部隊だと思っていますので、この巻の表紙も是非コンバット・スーツ部隊をメインに描いて欲しかったと思います。

コンバット・スーツ部隊は、「大戦前夜」下巻の表紙になっていますから、同シリーズで同じキャラクターを表紙に使いたくないというハヤカワ文庫の考えも理解できますが、このキングギドラはちょっと無いなぁと言うのが最初の印象です。しかし、内容はやはり、「ポスリーン・ウォーシリーズ」の第二部を締めくくるものですから、大変にインパクトのある戦闘シーンの描写となっていますね。

※ネタバレ注意

この四巻での印象深い登場人物の中に「エルガース」という第591歩兵連隊所属の狙撃兵が登場するのですが、ん?どこかで聞いたような名前の狙撃兵ですね、しかもバレット社の50口径のライフルを持っている・・・たしか、「大戦前夜」に登場した女性スナイパーの、エルズワージー三等軍曹が装備していたのも50口径狙撃ライフル「テネシー5=0」とありましたが、このテネシーって要するにバレット社のことですから、これはひょっとすると「エルガース」と「エルズワージー」にはなにか関係があるのかも知れませんね。

また、今後の展開では、バージニア州の高校生トム・サンデー・ジュニアと主人公、マイケル・オニールが何らかの接触をしそうな描写もあり、第三部以降も非常に期待できそうです。

地球戦線〈4〉―ポスリーン・ウォー〈2〉 (ハヤカワ文庫SF)地球戦線〈4〉―ポスリーン・ウォー〈2〉 (ハヤカワ文庫SF)
(2011/01)
ジョン リンゴー

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[ 2011/01/29 22:47 ] 小説 SF小説 | TB(0) | CM(0)

SF 地球戦線(3) ポリスーン・ウォー

地球戦線3

こんばんは、ノエル・ギャラードです。

今夜紹介するのは地球戦線〈3〉―ポスリーン・ウォー〈2〉 (ハヤカワ文庫SF)です。

本作はジョン・リンゴーのミリタリーSF小説、「ポスリーン・ウォーシリーズ」の第二部、第三作目として早川書房より発行されたものです。

まず、この巻では地球を舞台としたポリースン軍、と地球人の戦闘が激化する様子が描かれているのですが、主人公であるマイケル・オニールの率いるコンバット・スーツ部隊は戦場に到着しておらず、また何者かの妨害工作によって、米軍の通信網を初めとして様々な混乱が起きており、戦略、戦術の実行が困難な状況で地球人にとっては非常に不利な状況で戦闘が始っているために、大変にスリリングな展開となっております。

また、コンバット・スーツ部隊は戦場となる首都ワシントンに向かって移動中であるものの、部隊の規模を考えるととても全ての戦域に配備できるようなものではありません。バージニア州での戦闘は主に通常兵器を改良した米軍主導の戦術で迎え撃つことになるのですが、現在の米軍の装備は基本的に地球人を想定して作られていますので、どのように異星人を相手にしていくのか?といった点で、「スタートレック」や「宇宙の戦士」のように技術の十分に進歩した「未来の地球」では無く、「現代の地球」が舞台となっている醍醐味の味わえる内容となっています。

特に、バージニア州での戦闘は工兵部隊や迫撃砲部隊の活躍がクローズアップされているために、現実の戦争のシーンの中に異星人が襲来したらこんな感じだろうか?と想像力を働かせながら読んでことになるのですが、その辺りには著者の従軍経験が活かされているのだろうと思われるリアリティのある(私は従軍経験がないのであくまでリアルっぽく感じているに過ぎないのですが)場面が随所に出ていますので、ミリタリー小説好きにもお勧めです。

ただ、表紙は、バージニア州の高校生トム・サンデー・ジュニアとウェンディだと思いますが、2巻の内容では確かトム・サンデー・ジュニアってコンピューターオタクぽく描写されていたような気がしますが、ちょっとイケメンすぎると思うのは気のせいでしょうか?

次の巻で、「ポスリーン・ウォーシリーズ」の第二部は最終巻となるのですが、圧倒的な数で押し寄せるポリースン軍をどうやって食い止めるのか?非常に楽しみです。

地球戦線〈3〉―ポスリーン・ウォー〈2〉 (ハヤカワ文庫SF)地球戦線〈3〉―ポスリーン・ウォー〈2〉 (ハヤカワ文庫SF)
(2010/12)
ジョン リンゴー

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[ 2011/01/28 23:43 ] 小説 SF小説 | TB(0) | CM(0)

SF 地球戦線(2) ポリスーン・ウォー

地球戦線2

こんばんは、ノエル・ギャラードです。

今夜紹介するのはジョン・リンゴー地球戦線〈2〉―ポスリーン・ウォー〈2〉 (ハヤカワ文庫SF)です。

本作はジョン・リンゴーのミリタリーSF小説、「ポスリーン・ウォーシリーズ」の第二部、第二作目として早川書房より発行されたものです。

まず、この表紙のイラストの異星人が、「ポスリーン・ウォーシリーズ」における侵略者である、ポリスーン人というわけですが、4本足のケンタウルスのような、と表現されるそのままの姿な訳ですが、やはりこういったSF小説では様々な異星人がどういった姿で、どのような習性を持っているのか?という事はシリーズを印象付ける大きな要素だと思います。

彼らポスリーンに対しての印象ですが、なぜ、他の惑星へ進出することが可能なほどに技術が進歩しているにも関わらず、個々の兵隊の知能レベルがそれほど高くないのか?また、その戦略、戦術、共に歩兵部隊の力押し程度の戦術しかないのか?など様々な疑問を感じてしまいます。
まあ、このシリーズは長くなることが分かっていますし、様々な複線も張られているようなので、彼らの習性にも何らかの仕掛けが隠されていそうですし、彼らの中の高級将校にあたるような大隊長(ウルトンダイ)と呼ばれる上級戦闘師の語る「道」とはなんなのか?といった彼らの習性についてはもう少しシリーズを読み進めていく必要がありそうです。

今回の舞台はもちろん地球となるのですが、主人公マイケル・オニールは妻であり、フリゲート艦の副長となって宇宙へ赴任の決まった、マイケルの妻シャロン・オニール、そして長女のカリーとフロリダでバカンスを楽しむ様子が書かれています。
もっとも、バカンスと言っても戦時中の物資の乏しい状態でサバイバル要素の強いものではあるのですが、これまでに八面六臂の活躍を見せてきたマイケル・オニールのプライベートな面を見ることが出来て、シリーズの中で一瞬、緊張をほぐすことの出来るシーンになっています。

後半は、特殊部隊員であるモソビッチ達の教育を受けたバージニア市民軍達や工兵隊の活躍が描かれていますが「アメリカ国内が史上初めて戦場と化す」といったこのシリーズの副次的なテーマについてが前面に出ており、まさにアメリカ人が一体となって敵に立ち向かう、といったいかにもアメリカ人が好みそうな演出となっています。
アメリカ人で無い私が読んでも情景が伝わってくるのですから、本場のアメリカ人たちに人気が出るのも分かるような気がしますね。

この巻から、ポリスーンとの地球での戦闘は一気に激化していくことになりますので、おいていかれないようにしないといけませんね。

地球戦線〈2〉―ポスリーン・ウォー〈2〉 (ハヤカワ文庫SF)地球戦線〈2〉―ポスリーン・ウォー〈2〉 (ハヤカワ文庫SF)
(2010/11)
ジョン リンゴー

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[ 2011/01/27 23:40 ] 小説 SF小説 | TB(0) | CM(0)

SF 地球戦線(1) ポリスーン・ウォー

地球戦線1

こんばんは、ノエル・ギャラードです。

今夜紹介するのはジョン・リンゴーの地球戦線〈1〉―ポスリーン・ウォー〈2〉 (ハヤカワ文庫SF)です。

本作はジョン・リンゴーのミリタリーSF小説、「ポスリーン・ウォーシリーズ」の第二部、第一作目として早川書房より発行されたものです。

シリーズの第一作にあたる「大戦前夜」では主人公マイケル・オニールの考案したコンバット・スーツを装備したコンバットスーツ部隊の惑星ディエス4での活躍、また惑星バーウォン5へ潜入した、モソビッチ達、特殊部隊員の活躍に重点が置かれていましたが、この「地球戦線」ではいよいよ、地球が戦場となっていきます。
ということで、この地球戦線のでは、原作の二巻に当たる内容を文庫本4冊に分けて、地球を戦場に、どうやってポリスーンの軍隊を迎え撃つのか?という準備段階から、激しい戦闘へとストーリーが展開していきます。

この「地球戦線」ではマイクの父「老オニール」とマイクの娘「カリー」にもスポットが当てられることになりますが、この展開はちょっと無理があるんじゃないの?と思うのは私が平和ボケした日本人だからでしょうか?

本作はもちろんエンターテイメント性の高いミリタリーSF小説ですので、8歳の女の子が素晴らしく優秀であっても「まあフィクションだから」と笑っていられますが、戦場では私は完全にこの少女に殺られますね。

しかし、この地球戦線でも、「連邦」の支配階級であるダーヘル人達のなにやら怪しげな企みは明らかにはなっていませんが、良からぬことを考えていて、今後のストーリーに大きく影響してきそうなことだけは確かなようです、「ポスリーン・ウォーシリーズ」の第二部、地球戦線も目が離せないですね。

地球戦線〈1〉―ポスリーン・ウォー〈2〉 (ハヤカワ文庫SF)地球戦線〈1〉―ポスリーン・ウォー〈2〉 (ハヤカワ文庫SF)
(2010/10)
ジョン リンゴー

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[ 2011/01/26 18:35 ] 小説 SF小説 | TB(0) | CM(0)
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ノエル・ギャラード

Author:ノエル・ギャラード
197X年生まれ

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